今日の手術は少し時間がかかったので、お昼休みにぴーちゃんが出てくる時間が短くなりました。ぴーちゃんケージから出てきて伸びているところを写真撮りました。



さて、
1月末に半年前くらいから体重が減少してきていて、食欲にもムラがあるという12歳のトイプードルの子が来ました。

体重は3.0kgもありませんでした。おなかの中を超音波でみてみると、野球ボール大くらいの大きなできものがあり、おなかが張っていました。
たぶんおなかのできものがあって、食欲が落ちてきてしまったのだろうと思います。お歳もとってきていて、あまり元気もない様子だったのですが、おなかのなかのできものが出血して亡くなったら困るという飼い主さんのお話しもあり、本日おなかをあけて手術をすることになりました。
おなかのできもの、、、超音波検査をしてみると、脾臓という臓器に接していて、脾臓には間違いなくできものがあるだろうということはわかっていました。が、肝臓にもできものが接しているように見えるところがありました。
おなかをあけてみたら、脾臓と肝臓、どちらとものできものがありました。

脾臓のできものは、以前もブログで紹介させてもらいましたが、シーリングシステムといって、血管を簡単に止血して切ることができる機会がうちの病院にもあるので、脾臓のできものをとるには苦労はしませんでした。
問題は肝臓のできものでした。肝臓は、肝葉といっていくらかのパーツというかセクションで分けられた臓器です。
脾臓という臓器は、脾臓の向かう血管も、出てくる血管も肉眼的に確認しやすいのですが、残念ながら肝臓はそれぞれの肝葉に向かう血管も出てくる血管も確認しずらい臓器になっております。
どうしようかと思ったのですが、今回のわんちゃんのできものが、肝臓の外側左葉といって、入ってくる血管も出ていく血管もわりとわかりやすいところでした。
脾臓だけとっても肝臓から出血するリスクが高かったため、思い切ってとることにしました。入ってくる血管も出ていく血管も事故なく処理することができ、大きな出血もなく肝葉がとることができました。
手術が終わって、ゆっくり点滴を流している最中です。しばらく入院になります。なんとか元気になって無事退院できるように頑張りたいです。

1月に新しく点滴の機械を2台購入しました。これで、少し入院の子が増えても、対応ができるようになりました。(大変ですが。。。)
先ほど、肝臓のできものと脾臓のできものの腫瘤を細胞診といって、細胞成分を顕微鏡で覗きました。同じような細胞がとれてきたら、どちらかの病変が転移の可能性を考えないといけないのですが、脾臓の方は見る限り過形成+髄外造血の所見が得られて、肝臓の方は肝細胞の増生(肝臓の良性腫瘍や悪性腫瘍どちらの可能性もあります。)で、どうも異なる病変の可能性が高そうでした。
果たして病理組織検査の結果はどうなるか。。。
明日からまた天気が悪くなるようですね。皆さまどうぞお気をつけて。
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