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猫のチーちゃん、17歳になりましたので、写真を撮らせていただきました!





去年も16歳で写真を撮っていると思います。1年前と体格と血液検査の数値もあまり変わらず過ごしています


すごいことだと思います。


チーちゃんは糖尿病で月に1度診察できてもらっています。血糖値も安定していますし、


糖尿病がうまく管理できないと体重が落ちてきてしまうのですが、体重の増減もほぼほぼなく、過ごしております。




診察にくると「外の景色が見たい」といわんばかりに窓の方に寄っていきます。ブラインドを上げると外の景色を楽しんでくれます。今は冬なので鳥さんは飛んでいませんでしたね。



お正月に糖尿病性ケトアシドーシスの子がきたので、「ブログで糖尿病でも書くかー」と思っていたら、チーちゃんが診察に来てくれました。



糖尿病とケトアシドーシスについてちょっと書かせてください。(お正月大変だったので腹いせのようになりますがお許しください。。。)



糖尿病は、体の中でできるインスリンという物質が不足したり、働きが弱くなってしまう結果起こってくる病気です。通常インスリンが働いて、体の中の糖分をエネルギーとして取り込めるようになるのですが、インスリンがうまく働かないと、食べ物を食べても糖分を体の中で使うことができず、循環する血液中に糖分が増え、利用されないまま糖分が尿中に出てきてしまいます。


糖尿病はインスリンを注射で補充することで、管理することになります。人では食事療法や運動療法でコントロールをとることができる方もいると思いますが、わんちゃんねこちゃんはなかなかそうもいかない子が多く、糖尿病と診断した子は注射している子がほとんどだと思います。(最近猫ちゃんで飲み薬も出たのですが、それはまた話が長くなるので。。。)


糖尿病治療しないとどうなるか、また、治療していてもインスリンの効きがよくないとどうなるかというと、ケトアシドーシスといって大変なことになります。


糖を体の中で使うことができないと、体の中の脂肪を分解してケトン体というものをエネルギー源として利用していきます。このケトン体が体の中でコントロールできないくらい増えてしまうとめんどうなことになります。


体の中でできるケトン体は酸性物質(酸塩基の酸です。)で、ケトン体がどんどんできると、体が維持できないくらい、体の体液が酸性に傾いてしまいます。体液が酸性に傾いていく状態をアシドーシスといいます。ケトン体が大量に出てアシドーシスになるので、ケトアシドーシス、、、というのでいいと思います。



ケトアシドーシスを治療しないまま放置してしまうと亡くなってしまいます。来院したときにはほとんどの子が横たわってあまり動かず、だいぶ悪い状態で来ます。治療には入院治療が必要になってくることがほとんどだと思います。



お正月は他院で糖尿病の治療を受けていた猫ちゃんがきました。たぶん普段行っている病院の電話が繋がらなかったのだと思います。当院の留守電にメッセージを入れていただき、来てもらいました。診断は糖尿病性のケトアシドーシスで、例外なく診察台の上で横たわり、立てない状態でした。


1月1日のお昼過ぎからケトアシドーシスの管理スタートです。糖分がエネルギーとして利用できるようにインスリンを点滴で流して、低血糖にならず、高血糖になりすぎないように調整します。また、インスリンが効いてくると、体の電解質(ポカリスエットの成分のようなものです)のバランスが崩れてしまうので、これも点滴で微調整していきます。血糖値の調整はなかなか安定せず、夜な夜な微調整したり、また今回の子は低体温になっていたので、湯たんぽを温めなおしたりがあったりで、、、通常寝不足になりますし、なりました。


治療開始2日目から少しずつごはんを食べてくれるようになり、「だいぶ落ち着いてきたかな」と感じたときには、もう1月4日でした。大晦日に「今年の正月はゆっくり休んで、たくさん本読んで、お酒も飲めたら、、、」というのは届かぬ願いでした。


でも命が助かってくれてよかったんだと思います。どんなに頑張っても願っても助からない命はたくさんあります。(と自分に言い聞かせております。)



さて、今回のケトアシドーシスの猫ちゃん、実は糖尿病の治療を受けていたのですが、ケトアシドーシスになってしまいました。おそらくは使っていてインスリンの作用時間が短く、十分な効果が得られてなかったことが大きな要因だと思います。



当院の糖尿病の猫ちゃんは、トレシーバという作用時間が長いと言われているインスリンを自宅で注射してもらい、糖尿病を管理してもらっています。


チーちゃんもトレシーバを使って良好に管理できています。


わんちゃんで使うようなヒューマリンNだと作用時間が短すぎるようです。私自身ねこちゃんの糖尿病の管理でヒューマリンNを使ったことはありません。


また、レギュラーインスリン(ノボリンRとか)はケトアシドーシスの入院管理で使うようなものです。作用時間があまりにも短かすぎて、日常の管理で使用するとなるとだいぶ至難の業だと思います。犬でも猫でも日常的な糖尿病の管理でレギュラーインスリンを使ったことは私はありませんし(勉強不足なのかもしれませんが)、うまく管理できる自信がないです。




4年ほど前のチーちゃんです。


チーちゃんもケトアシドーシスになり、4年ほど前に入院して治療をしました。ことの時の体重が3kg台か2.8kgとか2.9とかだったような。。。



チーちゃんの今日の体重は5.12kgです。


糖尿病うまく管理できているとわりと体重が増えてくれます。体重が落ちるようだと、血糖値がうまくコントロール取れていないか、他の病気が隠れているかどうかだと思います。



また、血液検査で「フルクトサミン」という項目があるのですが、糖尿病の管理に使用することがあります。


日常的に血糖値が高い状態が維持されるとフルクトサミンの数値が高くなってしまいます。


チーちゃんはフルクトサミンの数値も基準値で奇跡的にいい状態をキープできている子です。


ねこちゃんの場合、病院に来ただけで興奮して血糖値が爆上がりしてしまう子もいます。その場合に糖尿病で治療するかどうかを評価するのにフルクトサミンを測定することがあります。




以上です。


長々と書きたいことを書かせていただきました。


最後までお読みになっていただいた方、お疲れ様でした。ありがとうございます。



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